【ファクタリング知識📝】開業間もない事業者とファクタリングの関係

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開業間もない事業者にとっての課題の一つが、資金調達の難しさです。
実績が乏しく、経営が軌道に乗らず、赤字のケースも少なくありません。
銀行融資も通りにくく、資金繰りに困って早期に倒産する場合や廃業に追い込まれる事業者も少なくありません。
そんな開業間もない事業者がファクタリングを利用できるのか、メリットやデメリット、注意点などを解説していきます。

 

■開業間もない事業者の資金調達手段

近年は、起業化支援の動きもあり、創業時の公的な機関からの融資制度も増えてきました。
もっとも、創業融資を受けるには一定の条件を満たす必要や事業計画書を作成して提出し、プレゼンを行い認定を受ける必要もあります。
創業時に融資を受けられなかった事業者や、融資を受けたものの創業後にうまくいかず、資金繰りの工面に困っている事業者もあるかもしれません。
こうした開業間もない事業者が資金調達をするには、どうすればいいのでしょうか。


・審査が厳しい銀行融資


銀行融資の場合、事業計画書の提出や経営者インタビュー、企業訪問なども実施され、厳しく審査が行われます。
開業間もないと実績も少ないうえ、開業後に取引先の開拓ができていない、仕入れた商品や製造した商品が売れていない、お店に客が入っていないなどの状況を見られてしまうと、審査に通りにくくなります。
開業間もないと、なかなか銀行融資は受けられないのが実情です。


・信用組合や信用金庫の融資


信用組合や信用金庫は銀行に比べると、地域に密着し、中小企業の支援に積極的な金融機関です。
とはいっても、開業間もなく取引実績が乏しいケースや、将来性が見込めないとやはり融資は難しくなります。
信用組合や信用金庫は運営が一定エリアに限定され、地域の事業者や地域住民の出資金などを元に運用されているので、地域に貢献できる事業者と判断してもらえないと融資が受けられません。
また、融資にあたって保証人や物的担保を求められることもあり、担保の提供ができないと融資が難しくなります。


・貸金業者による融資


消費者金融などの貸金業者からビジネスローンなどを借りる方法もありますが、開業間もないと融資が難しいケースも少なくありません。
貸金業者の融資は即日融資や、書類審査のみの簡単さがウリですが、その分、審査にあたっては2期分の決算書類や確定申告書類の控えの提出を求められることがあります。
開業間もないと決算や確定申告もまだしておらず、2期分の決算書類や確定申告書類の控えがそもそもなく、必要書類が提出できないことがあります。
開業間もなくても、審査のうえ融資が受けられる場合もありますが、その場合、経営者個人が連帯保証人となることを求められる場合や自宅に抵当権を設定することを求められる可能性もあり、万が一、返済できないと個人の資産を失うおそれもあるので注意が必要です。


・ファクタリングの可能性


ファクタリングは売掛債権をファクタリング業者に買い取ってもらって、資金を融通してもらう方法です。
そのため、開業間もない事業者の審査うんぬんより、そもそも売掛債権を有していないと利用することができません。
開業間もなく、売掛取引をする取引相手がいないケースでは利用できないので注意が必要です。
一方、売掛債権を有しているのであれば、開業間もない事業者でもファクタリングにより、資金が得られる可能性があります。
特に売掛先が大手企業や、中小企業であっても支払能力が高い企業や安定した企業、創業からの歴史が長い企業であれば、利用者が開業間もなくてもファクタリングができる可能性が高いです。
ファクタリング業者としては、売掛先がしっかりしていれば、デフォルトリスクが小さく、損をするリスクが抑えられるためです。

 

■開業間もない事業者がファクタリングをするには

開業間もない事業者がファクタリングをするには、まずは売掛債権を有している必要があります。
売掛取引はいきなり始められるものではありません。
特にある程度、金額が大きくなる取引の場合、取引相手と信頼関係を築かないと簡単には行えません。
たとえば、数十万円の取引を行う場合に、名の知れた大企業なら別ですが、実績もあまりわからない中小企業やベンチャー企業、個人事業主などと取引し、支払いは1ヶ月先でいいとすることができるでしょうか。
確実に支払ってくれるかどうかもわかりませんし、その間に倒産するリスクもあります。
最悪の場合、連絡がつかなくなるなど、商品やサービスだけを受け取って行方をくらます詐欺に遭う可能性も少なくありません。
こうしたリスクを回避するためには、まずは何度か都度払いで取引を行い、確実に支払ってくれるのを確かめ、企業の業績などを調査したうえで信頼が置けたら、売掛取引に入るのが一般的です。
そのため、開業間もない事業者の場合、ファクタリングをしたくても、そのための売掛債権を有していないケースがあるのがネックです。

 

■開業間もなくファクタリングが難しいケース

開業間もなくファクタリングが難しいケースとして、そもそも売掛債権を有していない場合をはじめ、売掛取引を始めたばかりで支払実績がないような場合も考えられます。
売掛債権があれば、開業間もない事業者であっても、ファクタリング業者が売掛債権を買い取ってくれるのは、売掛先から支払いが受けられると判断するためです。
そのため、ファクタリング業者の審査にあたっては、売掛先との取引履歴、つまり、振り込みの履歴などの書類の提出を求められることがあります。
売掛取引を始めたばかりで、まだ一度も支払いを受けたことがない取引先との間の売掛債権では、買い取ってもらえない可能性が高いので注意しましょう。
ただし、売掛先が大企業や名の知れた実績の高い中小企業、国や地方公共団体など公的機関である場合には、初めての売掛債権でまだ支払実績がなくてもファクタリングができる可能性があります。

 

■開業間もない事業者がファクタリングする際の注意点

開業間もないものの、ある程度の取引先を開拓でき、すでに何度か売掛金の支払いも受けられており、ファクタリング業者もファクタリングの申し込みを受け入れてくれたとしても、注意しておきたい点があります。
どのような点に注意すべきか、見ていきましょう。


・審査に時間がかかる


ファクタリングの利用者は開業間もなく実績が少ないので、支払能力や信用力は低い状況です。
そのため、ファクタリング業者の注目ポイントは、売掛先の支払能力や信用力になります。
開業間もない事業者との間では売掛取引の実績も少なく、せいぜい、1回とか数回程度の支払いをしたにすぎません。
それだけで、信頼できる取引先と即断することは難しいです。
売掛先がどのような業者で、どのような事業を行っているのか、創業から何年程度経っているのか、業績は良いか、他の取引先との間で売掛金の支払いは確実になされているかなど調査される可能性があります。
取引実績が豊富な売掛先への審査に比べると、審査時間が長くなり、すぐに資金が得られない可能性が高いです。
資金繰りが厳しく、すぐに仕入先に入金しなくてはいけないなど、急ぎの際は気を付けましょう。


・手数料率が高くなる


売掛先の信用力が高ければ、開業間もない事業者でも手数料率を低めに設定してもらえる可能性もあります。
ですが、一般的には開業間もない事業者のファクタリングの手数料率は高めになります。
同じファクタリング事業者でも、ファクタリングの手数料率は一律ではありません。
基本的に案件ごとに、利用者の信用力と売掛先の信用力を調査し、リスクに応じて手数料率を決めます。
デフォルトリスクが高いと判断されるほど、手数料率は高いです。
開業間もない事業者の場合、実績が少なく、信用力が低いと判断されるので、手数料率は高めに設定されるのが一般的です。

 

■2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの利用可能性

ファクタリングには、開業間もない事業者とファクタリング業者のみで手続きを行う2社間ファクタリングと、売掛先も含めて手続きを行う3社間ファクタリングがあります。
開業間もない事業者の場合、どちらが利用しやすいのでしょうか。


・2社間ファクタリングの場合


3社間ファクタリングでは、売掛先の承諾を得たうえで、開業間もない事業者にファクタリング業者から資金が振り込まれた後、支払期日が到来すると、ファクタリング業者は直接、売掛先に代金を請求して支払いを受けます。
これに対して2社間ファクタリングでは、売掛先はファクタリング業者とは無関係です。
開業間もない事業者がファクタリング業者から支払いを受けた後、実際に支払期日が到来したら、売掛先から受け取った代金をファクタリング業者に送金するという仕組みです。
そのため、ファクタリング業者が損失を出すことなく資金を回収するには、開業間もない事業者の経営状態や信頼性が重要になります。
たとえば、開業間もなく、取引先の開拓ができていないなど、今後の経営に暗雲が立ち込めている場合、支払期日までに倒産するリスクも少なくありません。
そうなると、売掛先に問題がなくても、ファクタリング業者は支払いを受けられなくなり、開業間もない事業者に支払った資金の回収が難しくなります。
そのため、開業間もない事業者の経営状況が芳しくないと、ファクタリングの審査が通らない可能性があります。
一方、開業間もない事業者であっても、取引先を広げ、売上も上がっていて、事業が軌道に乗り、今後もどんどん成長が期待できるような場合には、速やかにファクタリングの審査が通り、手数料率も低めに設定されるなど、有利な条件でファクタリングが認められる可能性も大です。


・3社間ファクタリングの場合


3社間ファクタリングの場合、売掛先に債権譲渡の承諾を得たうえで、3社間で契約を行います。
さらに支払期日が到来した際には、売掛先はファクタリング業者に直接支払いを行うことになります。
そのため、開業間もない事業者で実績に乏しくても、売掛先がしっかりしていて支払いをしてくれる可能性が高ければ、ファクタリングが認められる可能性が高いです。
売掛先の信用力が高ければ、手数料率も抑えられる可能性もあります。
気を付けたいのは、開業間もない事業者と売掛先との、その後の取引関係です。
3社間ファクタリングでは、売掛先にファクタリングすることが知られてしまいます。
仕入先に支払う資金が足りない、従業員への給与支払いに困っているなど、売掛金の支払期日まで待てない事情があることを知られてしまう可能性が高いです。
となると、せっかくの努力で売掛取引ができる取引先を開拓できたのに、売掛先から不安に思われ、今後の取引を切られてしまう可能性もあります。
売掛先である取引相手から見れば、開業間もないうえ、資金繰りに困っているとなれば、今後の取引に不安が生じます。
商品が納品されなくなるおそれや、サービスが提供されないおそれがあるなら、すぐに取引の継続を取りやめ、実績の高い安定した事業者との間で取引をしたほうが安心です。
3社間ファクタリングは開業間もない事業者であっても、自社の実績ではなく、売掛先の実績に頼ってファクタリングできるメリットがある一方、ようやくの想いと努力で手に入れた売掛先を簡単に失ってしまうリスクがあるので注意が必要です。

 

■まとめ

開業間もない事業者は実績がないうえ、資金繰りに困ってしまうと将来性も見込めず、銀行融資などが受けにくいケースがあります。
こうした場合でも、売掛債権を有していれば、ファクタリングによって資金調達ができる可能性が持てます。
もっとも、ファクタリングをするには売掛債権が必要であり、売掛先からの支払実績が乏しいと審査に通りにくいケースも少なくありません。
審査に時間がかかることや審査が通っても手数料が高くなることもあるので注意しましょう。
ファクタリングには大きく2種類がありますが、2社間ファクタリングの場合、ファクタリング業者は売掛先に直接請求ができず、開業間もない事業者だけが頼りです。
そのため、開業間もなく、経営状態が思わしくなく、倒産リスクが高いと審査が通らない可能性があります。
一方、3社間ファクタリングは売掛先の信用力が高ければ、審査が通る可能性があるものの、ファクタリングの事実を取引先に知られてしまいます。
取引先から不安に思われ、せっかく手に入れた売掛先との関係が切れてしまうおそれもあるので気を付けましょう。

 

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