【ファクタリング知識】ファクタリングの二重譲渡は犯罪!ただし複数利用は可能な理由とは

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売掛債権をファクタリング会社に売却し、支払い予定期日前に代金を現金化するのがファクタリングです。
しかし、二重譲渡をおこなうことは法律によって禁止されていることに注意が必要です。
二重譲渡にならないかぎりは、複数のファクタリング会社を利用することになんら問題はありません。
ここではファクタリングの二重譲渡とは具体的にどういうものか解説します。

 

■ファクタリングの二重譲渡とは

そもそも二重譲渡とは、同じものを複数の相手先に譲渡することで、不動産取引などで度々登場する用語です。
たとえば、1つの不動産を複数の取引先に譲渡する契約を結べば、犯罪をおこなったことになるのです。
ファクタリングにおいては、売掛金をA社に売却して資金調達しておきながら、まったく同じ売掛金を今度はB社に再び売却すれば二重譲渡に該当します。
売った側は売却代金を二重に受け取ることになりますが、当然犯罪行為ですので結局立ち行かなくなります。


・ファクタリングで二重譲渡が起こる理由

ファクタリングでやり取りされる売掛金は物ではないので、目には見えない資産です。
「資料さえそろえればだまし取れるのではないか」と画策する悪意のある企業もありますが、ファクタリング会社側は当然リスクを熟知しており、最上レベルで警戒しています。
目に見えない資産である性質を悪用して、最初から架空の売掛債権を売却しようとする犯罪も見られるため、ファクタリング会社が真っ先に審査するポイントです。
請求書を捏造したり、決算書を粉飾したりするケースもあるため、ファクタリング会社としてはどうしても詳細に調べる必要が生じます。
さらに悪質なケースでは、取引先と共謀し、架空の売掛債権を作成してだまし取ろうとする場合もありますが、ファクタリング会社側もそうした犯罪行為については対処策を持っているのが一般です。


 

■二重譲渡をおこなったことは最終的に必ずバレる

ファクタリングの二重譲渡は最終的に必ずバレます。
発覚するタイミングはケースバイケースですが、二重譲渡がバレるのは「債権譲渡登記の情報を照会されたとき」「支払期日に未入金になったとき」です。
まずファクタリング会社は利用申し込みを受けると独自の審査をおこないます。
基本的に法務局で「概要記録事項証明書」を取得するため、その時点で二重譲渡であることはだいたいわかります。
二社間ファクタリングで資金調達が特急スピードでおこなわれた場合、この登記情報確認が後回しになったことで発覚が遅れるケースはあるでしょう。
ただし債権譲渡登記の段階で必ずバレることになり、その時点でほかのファクタリング会社がすでに登記完了していることが確認され、白日の下にさらされることになります。
権利を主張できるのは先に登記をおこなった側なので、ファクタリング会社は基本的に即座に債権譲渡登記をおこないます。
しかし中には債権譲渡登記が未登記もしくは留保の状態で対応するところもあり、その場合には発覚が売掛金の支払期日になることもあるでしょう。
二社間ファクタリングの売掛金の回収は利用者がおこなうため「売掛金回収業務委託契約」もファクタリング会社と結ぶことになります。
同じ売掛金なら売掛金回収業務を委託できるのは一社のみとなり、入金されなかった場合は利用者が入金を促され、結局登記を照会されて事実が発覚することになるでしょう。
いずれにしても多少の日数の違いがあるだけで、二重譲渡の犯罪が明るみに出ることに違いはありません。
ファクタリング会社は利用会社に損害賠償請求といった法的措置をとり、犯罪をおこなった利用会社は社会的地位を失うことになります。

 


・三社間ファクタリングでは二重譲渡は不可能

二重譲渡が考えられるのは二社間ファクタリングです。
三社間ファクタリングでは、利用会社とファクタリング会社のみならず、売掛先も契約に入ってくるため、そもそも二重譲渡の契約自体が成立しないことになります。
もし利用会社が二重譲渡を企もうとしても、売掛先はすでに別のファクタリング会社との債権譲渡を承諾しているわけです。
社会的地位のある売掛先であれば、当該の売掛金が譲渡済みであることを知っているのに新たに債権譲渡に応じるわけもありません。
場合によっては、相当の悪意を持って利用会社と売掛先が共謀してファクタリング会社をだまそうとすることもあるかもしれませんが、一般的に二重譲渡は不可能です。


 

■なぜ二重譲渡が起こるのか

そもそもなぜ詐欺にあたる二重譲渡が起こるかと言えば、利用会社が自社の利益を目的に悪意を持って故意におこなうか、二重譲渡と知らずにおこなってしまうかの2つが考えられます。
とくに短期間にまとまった資金を得たいがために契約を急いでしまう場合は二重譲渡に陥りやすいです。
ファクタリング会社を利用しようと相見積もりをとったときに、魅力的な条件を複数提示されて選びきれず、目先の利益に魔が差してしまったケースもあります。
一方で二重譲渡と知らずにおこなってしまったというケースも中にはあります。
これは利用会社側のチェックミスなどによる落ち度ではありますが、それでもファクタリング会社から損害賠償請求される可能性もあるため、十分に調べたうえで申し込むことが重要です。
債務の履行に間違いがないよう登記がおこなわれる仕組みになっていることを理解して、間違っても二重譲渡が起こらないようにすることが重要です。

 

■二重譲渡をしたらどうなる?

二重譲渡は基本的にファクタリング会社の審査で発覚するほか、そうでなくても発覚した時点で相応の処置がとられることになります。
まず二重譲渡は詐欺に該当するため、詐欺罪で処罰されます。
仮に見積もり段階で発覚した場合でも、詐欺未遂罪に該当しますので処罰の対象です。
次に横領罪で処罰される可能性もあります。
横領は「公共物や他人の所有物を不法に自分の所有物とする行為」と定義されており、ファクタリング会社へ移動した権利を横領した罪に問われることになるでしょう。
横領罪は5年以下の懲役、業務上横領に該当すれば10年以下の懲役です。
また懲役刑は企業犯罪に科されますが、責任者である経営者や担当者は法人に対する処罰が付随することになります。
詐欺罪と横領罪で10年以下の懲役となる可能性も高く、初犯でも実刑判決を受ける可能性が高いことはしっかり認識しておかなければなりません。
何よりも社会的信用を失いますので、企業の信用は失墜し、その後取引銀行から資金の貸し付けを受けることは非常に困難となります。
ファクタリング会社からの損害賠償請求は買取代金を返せば良いだけではとどまらず、事業を継続することも難しくなってしまうでしょう。
仮に経営者が自己破産するとしても、不正行為があれば免責は認められませんので(免責不許可事由に該当)、間違っても割に合う行為ではありません。

 

■ファクタリング会社の複数利用は可能

二重譲渡は犯罪ではありますが、ファクタリング会社を複数社利用することはできます。
ここでいう「複数社利用」とは、同じ売掛ではなく、複数のファクタリング会社にそれぞれ別の債権を売るという意味になります。
たとえば売掛債権Aをファクタリング会社①に売ったとしても、売掛債権Bをファクタリング会社②に売ることはまったく問題ありません。
二重譲渡にならない以上、法的・社会的モラルで考えてもなんら問題のある行為にはなりませんのでご安心ください。
相見積もりについては先ほど少し触れましたが、少しでも高く買ってくれるところに売りたいのは当然のことです。
ファクタリング会社を複数利用していると、金融機関にネガティブに捉えられるのではないかと懸念があるかもしれませんが、融資とは違いファクタリングは信用情報照会がありません。
売掛債権ごとに高く買ってくれるファクタリング会社を複数利用しても、基本的には金融機関に情報がいくことはないでしょう。
少しでも手数料が安いファクタリング会社、高く買い取ってくれるファクタリング会社を選ぶのは当然のことです。
もちろん見積もり段階であれば1つの売掛債権を複数のファクタリング会社にかけても問題はありません。
より有利な条件のファクタリング会社を見つけることをおすすめします。

 

■ファクタリングを相見積もりすべき理由

ファクタリングをする前に相見積もりをすべき理由はいくつかあります。
それぞれまとめておきましょう。


・まずは相場を知る

ファクタリングには手数料が発生しますが、この手数料はファクタリング会社や利用条件で異なります。
もちろん売掛金が大きいほどに手数料も大きくなるのが一般的ですが、あらかじめどれくらいのパーセンテージになるか相場を知っておくことは重要です。
二社間ファクタリングと三社間ファクタリングでも異なってくるほか、三社間のほうが低めになることもわかるでしょう。
手数料以外にも諸経費がかかる場合がありますので、そうした点も比較できます。

 


・条件の良いところを見つける

ファクタリングを考えるときには時間的に焦りがあるかもしれません。
しかし、見積もりを複数社からとり、少しでも条件の良い取引先を見つけることは大切です。
資金調達で焦っていると判断すると、足元を見てくる会社などもあります。
相見積もりで比較検討していることを伝え、良い条件を引き出すことも考えてみてください。


 

■良いファクタリング会社を見つけるためのポイント

ファクタリングを利用する場合は、まず目的をはっきりとさせましょう。
ほとんどの場合、急に資金調達が必要となり、取引先からの支払いを待っていられない状況なので、冷静な対処は難しい場合もあります。
しかし、借入金を増やさずに資金調達をする、経営を健全化させる、融資ではなくほかの手段で資金調達をしたいなど、経営戦略は必ずあるはずです。
ファクタリング会社によってはそうした目的を理解したうえでビジネスパートナーとなれる企業もありますので、目的に合ったところと契約することが大切です。
もちろん入金スピードは重要ですが、審査の通りやすさも関係するので審査通過率なども調べてみてください。
それでもスケジュールに余裕を持つことは重要ですので、可能なかぎり検討するための期間を1~2か月程度は見ることをおすすめします。
焦って二重譲渡などに目がくらまないよう、しっかり計画してから臨みましょう。

 

■まとめ

ファクタリングにおける二重譲渡は詐欺にあたる犯罪です。
ファクタリング会社では二重譲渡の被害を防ぐため、契約を締結する前に債権譲渡登記をおこなうこともあり、そこで発覚すれば詐欺未遂の罪に該当します。
ファクタリング会社にとって資金調達をサポートすることはビジネスであり、サービスであるため、その仕組みを悪用することはあってはなりません。
もし二重譲渡で一時的にまとまった資金を調達できても、二重譲渡は必ずバレる行為であり、刑事告訴の対象となります。
社会的な信用を失い事業継続できなくなってしまわないよう、ファクタリングを利用するときには冷静な経営判断をすることが大切です。

 

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