【ファクタリング知識📝】ファクタリングの手数料率の基準はどのように決まっている?

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ファクタリングの手数料は、ファクタリング業者の審査によって決まります。
どのような基準で決めているのでしょうか。
ファクタリングの手数料の決め方の基準について見ていきましょう。

 

■ファクタリングの仕組み

ファクタリングでは、支払期日が未到来の売掛債権などを買い取り、手数料を控除したうえで、利用者に支払いを行います。
たとえば、1ヶ月後に100万円の支払いが受けられる債権を買い取って、手数料を20%とした場合、20万円の手数料を控除して80万円を支払うということになります。
1ヶ月待てば100万円が手に入りますが、運転資金や代金の支払いや借金の返済のために、とにかくすぐに現金が欲しいといった場合、手持ちの売掛債権を売ることで80万円が手に入れば助かるのではないでしょうか。
受け取った80万円は自由に使うことができます。
支払期日が到来したら、売掛先から支払われた代金100万円をファクタリング事業者に渡せば、取引は完了します。
利息も発生せず、自らの負担で返済する必要もありません。
それを考えると、手数料が取られても早期に現金化するメリットが生まれます。

 

■ファクタリングの方式

手数料について理解するためには、まずファクタリングの方式についても理解しておく必要があります。
ファクタリングには大きく分けて2つの方式があります。
1つ目は二者間ファクタリングです。
支払期日未到来の債権を有する利用者とファクタリング業者の2者だけで債権譲渡契約を結び、売掛先などの債務者は関与しません。
買い取って手数料を控除して現金化した後、支払期日が到来したら利用者は売掛先から代金を受け取ります。
受け取った代金をファクタリング業者に送金すれば、取引は完了です。
もう1つの方式は、三者間ファクタリングです。
売掛先などの債務者に債権譲渡の通知を行うか、債務者の同意を得て三者で契約を結びます。
手数料を控除したうえで現金化が行われ、ファクタリング業者から利用者に支払われます。
支払期日が到来したら、債務者は利用者ではなく、ファクタリング業者に直接代金を払わなくてはなりません。
逆にいうと、ファクタリング業者は債務者に直接請求を行い、資金回収ができます。
この方式の違いからも、ファクタリングの手数料率の基準が変わってきますので、違いを押さえておきましょう。

 

■ファクタリングの手数料率の決め方の基準

ファクタリングで手数料率の決め方の基準の基本となるのは、利用者の信用状況、売掛先の信用状況、支払期日までの長さです。
手数料率はファクタリング業者が資金の回収ができなくなるおそれがあるほど高くなり、回収できる可能性が高いほど安くなります。
回収できなくなるリスクが高いほど、手数料率は高く設定されるということです。
この基本的な基準をもとに考えていきましょう。
まず、売掛先の支払能力や経営状態が悪いと、支払期日に支払いができなくなるリスクがあるので、審査に通らないか、手数料率を高く設定してリスクを調整する必要があります。
一方、売掛先が優良で、支払える可能性が高いほど手数料率は低く設定することが可能です。
利用者についてのリスクチェックですが、二者間ファクタリングの場合は三者間ファクタリングよりチェックが厳しくなります。
なぜなら、三者間ファクタリングの場合、支払期日が到来すれば、ファクタリング業者は売掛先から直接資金回収ができるので、売掛先の支払能力が高ければ、最悪の場合、支払期日に利用者が倒産してしまっても資金の回収ができます。
そのため、三者間ファクタリングの場合は利用者の経営状況が悪化していても、審査に通る可能性も高いです。
これに対して、二者間ファクタリングの場合、売掛先の支払能力が高くても、支払期日に利用者が倒産していた場合や経営状況が悪化して税金の差押えなどが行われていたら、利用者が売掛先から代金を受け取ってファクタリング業者に支払うことが難しくなります。
そのため、利用者の信用力のチェックも厳しめです。
そして、もう1つの基本的な基準となる支払期日までの期間はどう影響するのでしょうか。
この点、一般的には支払期日までの期間が長くなるほどリスクが高くなり、手数料率は高めになります。
一方、支払期日までの期間が短いほどリスクは低くなり、手数料率は低めに調整することが可能です。
なぜかというと、支払期日までの期間が長くなれば、利用者や売掛先の信用状況にも変動が起こるかもしれないからです。
期間が長いほど、石油価格の高騰や為替変動、物価の高騰などが起きることや一時期混乱を極めた感染症の拡大などが起きて、経営状況が一気に悪くなるリスクもあります。
利用者や売掛先の内部要因だけでなく、外部要因による影響も受けるため、予測しがたいリスクが生じるおそれがあります。
そのため、支払期日までの期間が長くなるほど手数料率は高めに設定されるのが基本的です。

 

■二者間ファクタリングの手数料率の決め方

二者間ファクタリングでは、売掛先には通知せずに債権譲渡が行われ、支払期日が到来したら、利用者が売掛先から代金を受け取ったうえで、ファクタリング業者に支払います。
そのため、ファクタリング業者が重視したいリスクのポイントは、売掛先の支払能力の高さと支払期日までの長さ、そして利用者の経営状態です。
売掛先が倒産して支払期日に払えなくなるのは困りますが、売掛先が問題なく支払いができても、売掛先の経営状態が悪化していた場合や倒産してしまえば、ファクタリング業者まで代金が渡ってきません。
そのため、利用者の経営状態も厳しくチェックされます。
利用者が資金繰りが悪化していることでファクタリングを希望しているような場合、手数料率は高めになります。

 

■三者間ファクタリングの手数料率の決め方

三者間ファクタリングでは、債権譲渡により、利用者はファクタリングした債権に無関係となり、債権者と債務者の関係は完全にファクタリング業者と売掛先の二者に移行します。
支払期日がきたら、ファクタリング業者は直接売掛先から支払いを受けることができるので、極端な話、利用者の経営状態が悪くても、売掛先の支払能力が高ければ審査が通り、ファクタリングが実現します。
三者間ファクタリングの場合、利用者の信用力が低くても、売掛先の信用力が高ければ、手数料は安くなることが少なくありません。
優良な売掛先の売掛債権を保有しているなら、少し手間がかかっても、三者間ファクタリングをすることで手数料率を低く抑えることが可能です。
手数料率が低くなれば、その分支払期日前に受け取れる現金の額が増えるので、利用者にはメリットが高いです。
売掛先が倒産リスクの低い大手企業や経営状態の良い企業である場合をはじめ、診療報酬債権や介護報酬債権、調剤報酬債権の支払先である審査支払機関のような公的な団体であれば、支払いはほぼ確実に行われ、ファクタリング事業者はスムーズに資金回収ができます。
その場合は、手数料率を低くしてもリスクが取れるということになります。

 

■利用者の信用力のチェック方法

では、審査にあたって、どのようにリスクをチェックするのでしょうか。
ファクタリング業者によって審査基準や審査方法は異なりますが、企業データベースを用いるほか、書類を提出してもらうことで書類の審査を行います。
決算書類や確定申告の書類を用いることが多く、直近1年分~3年分程度の提出を求められます。
こうした書類を中心に経営状況をチェックし、支払期日までの間の倒産リスクがないかを判断して、手数料率を決めるというのが一般的です。
経営状況が思わしくなく、支払期日が長くなるほど、二者間ファクタリングでは資金回収ができないリスクが高まるので、手数料率は高めに設定されるか、審査に通りません。
経営状況が良く、支払期日までの期間が短いほど倒産リスクは低くなるので、手数料率を低めにすることができます。

 

■売掛先の信用力のチェック方法

売掛先の信用力は、企業名をもとに企業データベースで照会を行うほか、利用者から提出される支払履歴が重要な判断材料となります。
売掛取引は、毎月継続的に行われるケースが多く、過去に支払遅延などがなかったかをチェックすることが可能です。
たとえば、帳簿や入金明細をはじめ、預金通帳のコピーなどで過去の入金履歴をチェックします。
支払遅延が起きることなく、毎月支払期日までにきちんと入金されている売掛先は優良と判断することができます。
一方、取引が初めての業者の場合は、企業データベースなどをもとに調査しなくてはなりません。
知名度の高い優良企業であれば良いですが、中小零細企業の場合は判断材料が乏しくなります。
そのため、手数料率をなるべく抑えたいなら、取引履歴が長く支払いのトラブルなく、毎月きっちり入金してきた履歴が確認できる取引先の債権をファクタリングに提供するほうが有利です。
売掛債権の金額だけを見るのではなく、その売掛先の優良度合いと支払期日までの長さを考えて、ファクタリングを利用する債権を決めましょう。
ファクタリングを利用する際は、少しでも多くの資金を得たいと思うはずです。
そのためには手数料はなるべく低いほうがベストです。
たとえば、200万円の債権で売掛先の信用力がやや低く、二者間ファクタリングを利用するケースと180万円の債権で売掛先の信用力が高めで三者間ファクタリングのケースで考えてみましょう。
あくまでも仮定ですが、200万円の手数料率が30%に設定されたとすると、手数料が60万円控除されて、140万円を手に入れることができます。
一方、180万円の債権では手数料が10%に設定された場合、手数料が18万円控除され、162万円を手に入れることができます。
手数料率がどう設定されるかで、金額の低い債権のほうが、より多くの資金を得られるケースもあるので、債権選びや売掛先選び、ファクタリングの方式選びは慎重に行わなくてはなりません。
あくまでもわかりやすくするための例ですが、金額が高い債権ほど手に入る金額が多くなるとは限らないので、その点は注意しましょう。

 

■手数料率を下げたいなら

手数料率は基準や決め方はファクタリング業者によっても異なりますが、手数料率が低いほうが、ファクタリングによる現金化には有利に働きます。
有利にするための対策として、ファクタリングをする債権を決める場合には金額の高さだけでなく、売掛先の信用力の高さ、支払期日までの長さにも注目しましょう。
また、売掛先の信用力の高さを証明するために、なるべく取引実績が長くある売掛先を選び、かつこれまで支払いが確実に行われてきたことを示す入金履歴などの証明書類を準備して提出することもおすすめです。
そのうえで、ファクタリングの方式も検討しましょう。
売掛先に知られたくない場合やとにかくすぐに資金を得たい場合には二者間ファクタリングのほうが早期実現が可能ですが、売掛先が優良な場合、手続きの手間をかけても良いのであれば、三者間ファクタリングのほうが手数料率を低く抑えられる可能性があります。
もちろん、ファクタリングを売掛先に知らせると、債権譲渡を拒否されるのではないか、取引を停止されるのではといった不安もあると思います。
これまでの売掛先との関係性や売掛先の経営方針、動向なども見ながら、ファクタリングの方式を選ぶのがおすすめです。

 

■まとめ

ファクタリングの手数料率の基準は、利用者の信用力、売掛先の信用力、支払期日までの長さと、二者間ファクタリングか三者間ファクタリングかの方式の違いが基本的な基準となります。
これらの基準のリスクの高低をチェックし、総合的に判断して手数料率が設定されます。
信用力が低いほど、支払期日までの長さが長くリスク変動要因が高いほど、手数料率は高くなり、信用力が高く支払期日までの期間が短いほどリスクは低いと判断されるので、手数料率は低めに設定することが可能です。
二者間ファクタリングでは、支払期日が到来すると利用者が売掛先から代金を受け取り、ファクタリング業者に支払うので、利用者の信用力のチェックが欠かせません。
三者間ファクタリングはファクタリング業者は売掛先から直接、資金回収ができるので、売掛先が優良なら手数料率を低くできます。

 

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